第4話

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そして、その日の部活の終わりのミーティングは、 「ところでさぁ、パイプオルガンの奏者が見つからないんだよね・・」 そのムツキ先生の一言から始まった。 数日前から修理のために、パイプオルガン専門のメンテナンスマンが数人訪れている。 いつもなら、その言葉に反応するであろうリンコは、じっと聞いているだけだった。 いや、聞こえているのかな・・。 「え? そうなんですか?」 と、ちょっとだけ探りを入れるように返事をした。 「うん。 いるのはいるんだけど、 名が売れている人や、プロ以外の人ってなると難しくってね。 何故って、今回は、あくまでも礼拝堂のパイプオルガンの修復と、そのきっかけになったスウィート・メイプル・ムジクの君たちがメインだからね。 だから、プロのオルガニストのリサイタルになるのは良くないんだよ。 誰か知らない?」 と言っていた。 そっか、ありがたいことに、私たちをメインに考えてくれているのね。
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