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下校時に、
「リンコ、何があったの?」
そう聞くと、リンコは一瞬息をのみ込んで、私の顔を確かめるようにほんの少しだけ見つめて、そしてうつむいた。
とぼとぼと歩いて、自転車置場で、リンコはお気に入りの赤色の自転車を出したけど・・
「ユウカ・・・・
私・・クレハおばあちゃんの家に帰りたくない・・。」
と、そう言ったのだった。
これは、絶対に良くない何かが起きた・・
「・・どうしたの?」
と、なるべく穏やかに聞いたところ、
「・・お父さんが・・。
玄関先に来ただけで、直接は会っていないんだけど・・
・・お父さんが昨日おばあちゃんの家に来たの・・。」
そう、凄く暗く青い顔で言った。
私は、その言葉を聞いた途端に、言葉を失った。
こんな形で予想が的中しても、全然嬉しくも何ともない。
さらに、
「私たちの活動を、どこかで聞き付けて、私に会いたくなったって言ってくれてるんだけどね・・。
でも、私は全然嬉しくないの。」
そして、死んだ魚のような目で、無理に笑って、
「・・あ、でも、きっと心配してくれてるんだよね。
・・でも、何で今さら私に会いたいなんて言うんだろうね・・」
そう、精一杯の作り笑顔でリンコは言った。
リンコ・・そんなことを、そんな辛い笑顔で言わなくてもいいんだよ・・。
そんなことは、
そんな顔をして、言う言葉じゃない。
あんな音を出して言う言葉じゃない・・。
リンコにこんな表情をさせることが、私には許せない。
許せない・・!
親だからなんだって言うの?
リンコを捨てた親が、何を今さらなの??
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