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そのまましばらく歩いて、リンコの家に着いた。
リンコ自身は、遠慮なのか心理的な壁なのかは判らないけど、未だにここを『おばあちゃんの家』と言う。
いつかその壁を越えることが出来るのだろうか・・
リンコの住む家は、昔ながらの和風建築で、その表札には、小山の姓の下に、亡くなったリンコのおじいちゃんの名前の横に、紅葉の名前が書いてありその横には、楓原凛子と書いてある。
玄関を開けて、リンコが元気なく、
「・・ただいま・・」
と言うと、おばあちゃんが
「おかえりなさい。」
と、穏やかな笑顔で言った。
おばあちゃんと言うには、まだ若すぎる気もする。
クレハおばあちゃんは、
「あら、優花ちゃん。
よかったら、あがっていって?」
と、そう言い、私を居間に招き入れてくれた。
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