第4話

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リンコのお父さんの旧姓は小山。 お父さんの一番目の奥さんであり、リンコの産みの親のお母さんの姓が楓原(カエハラ)。 リンコのお父さんは、大学三回生の頃に、一番目の結婚相手と出会ったそうだ。 ふたりの関係は、すぐに大恋愛に発展して、結婚を意識していたのだけど、相手は良家のお嬢様で、楓原の実家は、結婚を認めなかったそうだ。 そんな時に、お父さんが大学卒業と同時に、相手の女性はリンコを身籠って、そのまま駆け落ち同然で女性の方は大学を辞めて一緒に暮らし始めたんだそうだ。 いつか許されることを願ったのか、リンコのお父さんは、お母さんの籍に入ることで名字が楓原に変わったらしい。 そして、間もなくリンコが産まれて、数年が経った頃にリンコの実の母親には新しく好きな人が出来て、いつの間にかいなくなった。 間もなくして、お父さんも新しい恋に落ちた。 でも、その相手が、リンコにとっては最悪な人達だった。 それから・・ さらに、実のお父さんは新しい相手と共に、リンコを捨ててどこかへ行ってしまった。 リンコを選ばずに、どこかへ行ってしまった・・。 そのすぐ後で、クレハおばあちゃんは、玄関の表札を、リンコのお父さんが産まれる前の昔使っていた表札に変えて、そこにクレハおばあちゃん直筆で楓原凛子と書いて、玄関に掲げたそうだ。
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