38人が本棚に入れています
本棚に追加
リンコの父親は、
「橘さん、凛子と仲良くしてくれてありがとう。
いつだったかのトロッコ列車での演奏の新聞記事を見て、それから、この前の勧業館での演奏を聴いて、それでどうしても会いたくなってね。」
そう言って、作り笑いを浮かべていた。
私には、大人の事情なんてわからない。
ただ、リンコが心配なだけだ。
「もう僕は、凛子の元には戻れない。
凛子には辛い思いをさせた。
でも、それも全て僕が招いたことで、僕が凛子に選ばせてしまった道だ。
これは僕が選んだ僕の事情だ。
それは大人の行動と言うには、あまりにも未熟なこともわかってる。
でも、それでも、どれだけ僕自身が無様でも、それは仕方のないことなんだ。」
・・そんなの知らない。
そんなことを、リンコと同じ歳で、リンコの親友でもある私に言うことじゃない。
・・あまりにも、自己憐憫が過ぎる・・
最初のコメントを投稿しよう!