課長は大きさと衝撃も規格外でした②

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課長は大きさと衝撃も規格外でした②

 陰茎が膣奥を目指して進み、内臓が上へ押しやられてしまうのではないかという圧迫感で、麻衣子の目には涙の膜が張っていく。 「きつっ」  押し広げていく膣内の狭さと気持ち良さに、眉を寄せた隼人の眉間に皺が寄りうっすら汗が滲む。 「ううー、お腹、苦しい」 「ごめん、ゆっくり入れるから」 「あうっ!」  コツンと膣の奥に硬い先端が当たり、ついに子宮口まで陰茎の先が辿り着いたのが分かった。  浅い呼吸を繰りかえす麻衣子は、首を動かして互いの肌が密着しているのを確認する。動いていないのに、圧迫感と存在感は強くて陰茎が入っている膣のあたり、下腹が膨らんでいる気すらしてきた。 「はぁ、麻衣子さんのナカ、凄い締め付けてきて、気持ちいいよ」  気持ちよさそうに眉を寄せた隼人は、はぁーと色っぽい吐息を吐き出す。 「もう動いても、いい?」  麻衣子が微かに頷くと、上半身を倒した隼人は彼女の額と唇へ軽いキスをして腰を動かす。  最初はゆっくり麻衣子の反応を確認しながら、痛がっていないと分かると腰の動きを速めていった。  痛みは徐々に別のモノへと変化していき、膣から子宮の奥までが痺れるような快感へとすり替わっていく。 「ひっ、ああん、そこっだめぇー」 「麻衣子さん」  目を瞑りシーツを握り締める麻衣子の指に、隼人の指が絡まり強く握った。  ベッドが軋む音に合わせて、互いの肌がぶつかる音と二人の息遣いが部屋に響き渡る。 「奥、奥をズンッてしてっ! あぁ~気持ちイイよぅ」  子宮口を強く突かれて、叫び声に似た嬌声を上げた麻衣子がイイ反応をした場所に狙いを定めて腰を捻って突く。軽く達した膣壁はきゅうっと陰茎を締め付ける。 「うっ、奥が好きだなんて、見かけによらず、エロイな」 「やぁっ出ていっちゃ、いやっ」  腰を浮かした隼人の太股へ足を絡め、麻衣子は陰茎が出ていくのを阻止しようとする。脹脛が密着する感触に隼人は目を細めた。 「もっと、足を絡めて、あぁっいい。麻衣子さん、堪らないよっ」  言い終わらないうちに、半分抜いた陰茎を勢いよく膣内へ突き入れる。子宮口へ先端を押し付けるように腰を動かされる快感に、麻衣子の視界に入るもの全てが点滅していく。 「あっ!? ああっ! も、イクッ、イッちゃうのっ」 「イッていいよ、俺ももう、うっ」  絶頂へのカウントダウンが始まった膣壁の動きは、陰茎を締め付け麻衣子とは別の生き物のようにうごめく。気を抜けばすぐに射精しそうになるのを、腹へ力を込めて堪えながら腰の動きを速めた。 「イッ、あっぁああああー!」  一際大きい嬌声を上げて、麻衣子は全身を痙攣させて達する。 「くっ」  陰茎全体を締め付ける膣壁の気持ち良さに逆らわず、顔を歪めて小さく呻いた隼人はコンドームの中へ大量の精液を放った。  放たれた精液の熱を薄い膜越しに感じて、麻衣子は彼が達してくれた嬉しさで微笑む。 「麻衣子さん」  汗で乱れた前髪を払いのけ、額へキスをしてきた隼人の背中へ手を回したのを最後に、麻衣子の意識は途切れた。  ***  バックの中に入ったまま放置していたスマートフォンからけたたましいアラーム音が聞こえ、麻衣子は勢いよく掛け布団を蹴飛ばした。 「寝坊っ!!」  寝起きが悪い麻衣子が、穏やかなアラーム音から順に激しくなるよう設定した目覚まし時計アプリのこの音は、「もう起きないと間に合わない」という最後通知。  上半身を起こした途端、襲ってくる腰の痛みに呻いた麻衣子は腰だけでなく全身、喉が痛いことに気が付いた。  さらに、全裸で寝ていたことと自分の腰へ回す腕の主を見下ろして、全身から血の気が引いていく。 「今日は祝日だよ」  眠たそうに目蓋を半分以上閉じて答えた斎藤課長が麻衣子の腰を撫でる。  昨夜の激しすぎるセックスの記憶が麻衣子の脳裏に蘇ってきて、限界を迎えた。 「きゃあああー!!」 「ぶっ!?」  勢いよく振り下ろした拳が斎藤課長の頭に直撃し、彼の顔面はベッドへ沈み込んだ。 「斎藤課長っ!? うそっ夢じゃない!?」  斎藤課長に抱かれて乱れまくった記憶は夢ではなく、乱れたベッドシーツと全身の倦怠感が現実だったことを物語っている。  羞恥のあまり麻衣子は真っ赤に染まった顔を手で覆った。 「あのね、麻衣子さん」  赤くなった鼻を手で押さえながら斎藤課長が顔を上げる。 「俺を殴って、夢かどうか確認するのは痛いからやめてくれるかな。あとさ」  顔を隠す麻衣子の手へ自分の手を重ね外させると、包み込むように握る。 「俺のことは、斎藤課長じゃなくて“隼人”って呼んでと、言っただろう?」 「隼人、さん」  名を呼んだ瞬間、心底嬉しそうに微笑む彼は冷静沈着な斎藤課長とは同一人物とは思えない。  一夜の思い出にしようとしていたのに、こんな顔をされたら勘違いしそうになるじゃないか。  蕩ける笑みを向けてくる隼人を直視出来なくて、麻衣子は彼の横へ倒れ込むとシーツへ顔を埋めた。
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