【おまけ】ここまでの! 古代エジプト★豆知識①

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【おまけ】ここまでの! 古代エジプト★豆知識①

◆赤い土地と黒い土地 赤い土地=沙漠、人の住めない場所。 黒い土地=川べりの耕作地、国土、人の住んでいる場所。 古代エジプト人は世界の多くの場面において、対立する二つの要素の結びつきによって世界が成立していると考えていた。「昼の十二時間」と「夜の十二時間」、「黄金の太陽」と「銀の太陽(月)」、川べりの耕作地と砂漠、などである。 歴史的にナイル上流と下流はそれぞれ「上の国」「下の国」と呼び習わされており、自国を現すのに「二つの国」という表現が使われていたが、それとは別に、国土を意味する「黒い土地」と、その周辺を意味する「赤い土地」という二つの世界も重なり合っていた。 ◆永遠の輪「シェン」 現代で言うカルトゥーシュ。この言葉はフランス語で、王名を囲む印が薬莢に似ていることから名づけられた。 古代エジプト語のシェンは、「永遠」を意味し、本来は輪で王名を囲むというゲン担ぎの意味が込められていた。エジプト西方砂漠にある「水の山」と呼ばれる水場には、実際にシェンで囲んだ王名の刻まれている場所がある。 ◆ガチョウ 古代エジプト時代に一般的な家禽。鳥肉や羽毛は鵞鳥、鴨(冬の渡り鳥)、ウズラなどが食卓に上がる鳥で、他には鳩も飼育されていた。 ちなみに、現代で一般的な鶏は、最初に持ち込まれた最古の記録が今のところ第18王朝のトトメス3世の時代で、そのあと定着はせず、一般的にもならなかったため物語には登場しない。(一般的になったのは、第27王朝の第一次ペルシア支配の時代以降と考えられている) なおラクダや馬(騎馬兵)も、エジプトに入ってくるのはかなり後なので、創作物に出せる時代のタイミングが少々シビア。ロバは初期王朝から存在する。 ◆王名 よく知られている「ラメセス」や「トトメス」のような王名は誕生名で、現代人から見た呼び名。 古代に実際に王として呼ばれていた名前は即位名のほうになる。 外国語に残っている王名も即位名で、たとえばギリシャ語風に訛った呼び方で「オジマンディアス」となっている王の、元のエジプト語名は「ウセルマアトラー」だった。 ◆オアシス 現代名でいうダクラ・オアシス、カルガ・オアシスが「南のオアシス」。 バハリヤ・オアシスが「北のオアシス」。 物語中に登場するヘベトの街(名前の由来は「鋤」)とは、現代のカルガ・オアシスにあるヒビスのことで、今も古代の神殿跡が残っていて近年集フンされた。 この神殿に現在まで残されている「あるもの」が、物語の鍵となる。
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