【おまけ】ここまでの! 古代エジプト★豆知識③

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【おまけ】ここまでの! 古代エジプト★豆知識③

◆アメン神 「アメン(アムン、イメンとも)」はウアセト(ギリシャ語名テーベ、現代名ルクソール)の主神だった神。中王国時代の終わりごろから台頭し、新王国時代にはウアセト出身の王たちの王朝が始まったことから、国家の主神となった。名は「隠されたもの」から来ているとされ、そのため「不可視の神」という別名で呼ばれることがある。また、それまでの主神であった太陽神ラーの神格を吸収したため「アメン・ラー」という名でも呼ばれる。 ラーの神格から太陽神としての性格を引き継いでいるが、単体ではあまり太陽神らしさがなく、その得体の知れなさと汎用性の高さから、様々な神の神格を吸収し長い命脈を保った。 二本の羽毛かざりを頭に立てた人間の男性の姿で描かれる。 ◆神々の祭り 祭りの時期は神によって違うが、農業国家のため大きな祭りはおおむね農閑期に行われる。農耕や収穫に関わる神の祭りは種まきの始まる前と収穫後、ナイルの増水に関わる神は増水の始まる夏、など。 祭りのやり方も対象となる神によって違い、皆でお酒を飲んでどんちゃん騒ぎをする酩酊の祭り(テフネト女神)もあれば、下半身の屹立した神像を神輿に乗せて担ぎ街を練り歩くかなまら祭的なもの(ミン神)や、船に乗せた神像が川伝いに複数の神殿を行き来するもの(アメン神)、一晩中明かりを灯し続ける祭り(ネイト女神)など様々。それぞれの時代ごとに、街や地域の季節の風物詩となる祭りがあったことだろう。 ◆藍染め 古代エジプトにおける代表的な「青い布」は藍染め。藍は、ウォードやコマツナギ、インド藍など、インディゴ成分を含む植物から採れる。古代エジプトにおいても使われていたことは確かだが、その成法についてはまだ研究段階。ツタンカーメン王墓から見つかった衣装にも使われており、その色合いの再現には日本の藍染め技術が使われた。 なお、南米の古代文明の藍染めはジーンズと同じく綿生地だが、古代エジプトはまだ綿栽培をしていないため亜麻生地である。 ◆聖なる動物 神々の多くは動物の姿をとる。たとえば鷹神ホルスは「完全な鷹」もしくは「鷹の頭を持つ男性」の姿をして表される。面白いことに、このルールに従うのは成人したホルス神のみで、子供時代の「イシスの息子ホルス」は完全な人間の幼児の姿で表現される。 神の象徴となる動物は、その神の性格を表しており、鷹は雄雄しさや気高さ、牝牛は慈愛や母性、猫は気まぐれさや家の守り手、ワニは力と恐ろしさ、などである。ただし、実在の動物ではなく空想の動物が充てられていて動物からは性格が分からないセト神のような例外もある。 ◆アメンの神妻 第18王朝イアフメス王の時代に導入された制度で、当時の最高神だった「アメン・ラー神」に仕えた女性専用の職業。しかしツタンカーメン王の祖父あたりの時代から制度として廃止され、以降は第20王朝末まで復活しない。一説によれば、ハトシェプスト女王の時代に神妻を名乗った彼女が好き放題やったことが原因だとか。 初期の「アメンの神妻」たちは結婚していたが、ラメセス6世以降の復活した「神妻」たちは結婚しなかった。(夫に権力を与えないため、させなかった) この物語の舞台設定となる紀元前850年頃に実在した「アメンの神妻」カロママの像は、ルーブル美術館で見ることが出来る。
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