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4話 激情(*)
秋良のズボンの中に入った愁一の右手が、ボクサーパンツの上から敏感な部分を揉んだ。
愁一にいやらしく触られ、擦られるうちに、だんだんとそこが熱を持ってしまうのがわかる。
(嘘…勃っちゃうって…!)
秋良は押し寄せる快感を我慢しようとするが、自分の性器は別の生き物になったかのように、まったく言うことを聞いてくれない。
性器への刺激を我慢するのでやっとだったのに、今度は乳輪周りを撫でていた左手が乳首を本格的に苛めだした。
いやらしくこねられて下半身が切ない。秋良の体は待っていたかのように快楽を受け入れて完全に勃起してしまった。
恥ずかしい。起きているのをばれたくない。ぎゅっと目を閉じたままでいると横向きになっていた体勢から仰向けにされた。
目を開けてないのでこれから何をされようとしているのかわからず不安になる。
勃ちあがってしまった性器も痛いくらいになっていて、早く触りたい、達したいという気持ちが強くなっていると、パンツをずり降ろされた。
勢いよく反り返った性器が飛び出し、ひやりと空気に触れた感じがした。自分の今の恰好を想像すると顔を覆いたくなるほど恥ずかしい。目を瞑ったまま声を出さないことに専念するのに必死だった。
すると大きく足を開かされた。
(嘘っ…なんだよこの体勢…!)
寝ている設定なので恥ずかしいながらも抵抗せずにされるがままにしていると、ぬるりと温かいものに秋良の性器が包まれた。
(うそ…まさか…!)
たまらず薄目を開けてみると、愁一が口のなかに秋良の性器を含んでいた。
愁一は美味しい果実でも食べるかのように秋良の性器にむしゃぶりつき、口の中で上下させ扱く。
「っ…ふ……っ…」
(いやだ…こんな…恥ずかしいのに気持ちいい…)
音を立てて性器を扱かれるのがたまらなく卑猥で、気持ちいい。カリ首を舌でねぶられ、鈴口を舌でグリグリと刺激されるともう堪らなかった。いよいよ限界に近づいてくる。
はあはあと息が激しく乱れ、声がもう抑えきれない。
(やばい、このままだと口の中に、出ちゃう)
達したいのに、口を離さない愁一がじれったい。愁一の口には出したくない、それだけは…!
羞恥と達しそうな欲望で、秋良はついに我慢ができなくなった。
「だ…やめ…ダメだっ!!」
起き上がって愁一の頭をぐいと押しやって、自分のモノから引きはがす。
限界だったので、愁一の顔が離れた瞬間に射精してしまった。
「あっあっ……」
びくびくと弛緩しながら、吐き出した精液が止まらない。手で押さえるが、放たれた精液が愁一の顔にかかってしまった。
長めの射精が終わり、呼吸を落ち着かせる。涙目になりながら前を向くと愁一と目があった。
愁一は一瞬驚いた顔をしたあとに、射貫くような視線を秋良へ向けた。愁一は顔にかかった秋良の精液をぬぐってべろりと舐める。美味そうに飲みこんだ愁一の恍惚とした顔に、背筋が震えあがるようにざわめいた。
「秋良、起きてたんだ」
「なんでこんなこと、するんだよっ……こんなの冗談じゃすまない」
「冗談じゃないから」
そう言って愁一がベッドを這いながらじりじりと秋良に近づいてきた。
怖くて後ずさりするが、ヘッドボードにぶつかり行き止まる。
片方の足を引かれ、秋良は仰向けの状態にずり倒された。
その上から愁一がのしかかってくる。
「やっやだ…どけよ!」
「どかない」
「なんで…こんなっ…ひどいよお前」
「なんでって、わかってるから逃げようとしたんでしょ?」
卑屈な笑みを浮かべて愁一は着ていたシャツを脱いだ。
今度は俯せにされ、その脱いだシャツで後ろ手に縛られる。
「わっなにすんだ!やめろよバカ!」
「ケガさせたくないから暴れないで?」
何があっても退かないときの愁一の顔だった。
ぎゅーっと簡単にはほどけないほどきつく縛られて、また仰向けにひっくり返された。
秋良は胸元までまくれたシャツ一枚以外は何も着ていない状態で、腕も縛られている。
なんて情けない格好なのだろう。泣きたくなってくる。
「かわいい、秋良…」
愁一は興奮した様子でじっと秋良の裸を舐めまわすように見つめた。
「バカ!見るなよぉ…」
「乳首、もう勃ってるね。ぴんってしてる」
指先でくりくりと弄られたあと、愁一が右の乳首にしゃぶりついてきた。
「あっ…!」
ちゅっ…じゅっ…といやらしい音と共に愁一が秋良の乳首を舐めしゃぶり、苛めている。下半身にずくんと響くような気持ちよさがあって、怖くて必死に体をゆすった。
「あっ…やだっそれやだ…!」
「ん…ここ、気持ちいでしょ? ほら、こっちもまた元気になってきた」
舌先で甘く乳首を転がされて、秋良の性器は達したばかりなのに既に半勃ち状態になっていた。
「でも秋良は左側のほうがもっといい反応する…よね」
愁一の唇が左の乳首に移動する。
「ひゃっあっ…!」
ころころと口の中で乳首を転がされた後、きつく吸われた。
「んやっ…あんっ!」
甲高い声が出てしまい、たまらなく恥ずかしくなった。顔を背けてぎゅっと目をつぶる。
「かわいい声、もっと聴かせて…?」
愁一は呼吸が荒くなった様子で、今度は秋良の両足のももを抱え、胸元まで折り曲げた。
尻が浮いた状態になり、あられもない格好にさせられて慌てて目を開ける。
「やっなんでこんな格好…!」
「ごめんね、ジェルないから…」
愁一は秋良の尻の奥の窄まりに舌を這わせてきた。
「!! やだっやだ!!うそっなんで…?そんなところっ、汚い!」
「大丈夫、汚くないから。ケガしたくなかったら暴れないで」
べろべろと舐められ、それだけでも死にたくなるくらい恥ずかしいのに、さらに愁一は硬くした舌先で窄まりの内部に侵入してきた。
「やっあっだめっやめろって…!」
愁一の力が強すぎて、暴れたいのにビクともしない。
愁一の舌は容赦なく秋良の内壁をかき回した。ぬるぬると舌を上下させられて、恥ずかしいのに気持ちよくて、甲高い声が止まらない。
「やっやっイヤだっそれっ…ヤぁっ…!!」
喘ぎすぎてはあっはあっと息が乱れる。散々舐められたあとに、後孔に指が入って来た。
「ひっ! やだ…なんでそんなとこに指っ…!気持ち悪い…ぬけよお」
「大丈夫だから」
愁一の唾液でぐずぐずになっていた秋良のソコは愁一の指の侵入を容易く許してしまう。
指は止まることなく内部を掻きまわし、2本、3本と入る指が増えていく。
「んっんっ…!やっやだあ」
「秋良…秋良…かわいい」
愁一は夢中で後ろを慣らしながら、かわいい、かわいいと秋良の顔じゅうにキスをする。
そして愁一の指が、秋良の内壁のある一点を擦ったとき、体にビリビリ電流が走ったような快楽が秋良を貫いた。
「ひっあっ!!…なっなに…?」
「見つけた。ここ、秋良の気持ちいところ。いっぱい擦ってあげるね」
そのままぐちゃぐちゃと何本かの指が蠢き、その一点を集中して擦り上げられるともう堪らなかった。
「やだ!そこやだあ!いっちゃうから…! も…やだ…ぬいて…」
性器は痛いくらいに勃ちあがっていて、早く触ってイカせて欲しくて尻を振ってしまう。
「っ…やらしい、秋良」
「ちっちがっ…」
「そろそろ…いいかな」
そういうと愁一はやっと腕の縛りを解いてくれた。けどもう全身に力が入らず、暴れだすことができない。
早くイキたい…そう思い、秋良が自分の性器にそろりと手を伸ばしたところで、後孔の入口に熱く硬いものがあてられた。
「なっなにして…」
愁一の性器も完全に勃起していた。その先端を入口に当てがわれている。
秋良はこれから何をされようとしてるのかわかり、涙がでてきた。
「やだっいやだっ…こわい」
「秋良を俺のものにするね」
逃げようとする秋良の腰を押さえつけ、ズズ…と愁一の性器がめり込んできた。
「んっぐっ…!」
苦しい、ものすごい圧迫感に秋良は顔を歪めてしまう。
「はあ、は…かはっ…抜いて…おねがっ…」
「きついな…、秋良力抜いて、大丈夫、もう全部入るから」
「やだ、無理…!」
秋良の切望を無視して愁一はさらに侵入してきた。
「んんんっ…!」
「はあっ……全部入った。秋良のナカ、気持ちよすぎる…」
あんな大きなものが全部入ってしまった事実に秋良はショックを受けていた。苦しいのに、ぞくぞくとした何かがせりあがって来るのを感じている。
愁一は恍惚とした表情で汗ばみながら秋良を見下ろしていた。
「動くね、大丈夫ちゃんと気持ちよくするから」
「嘘、やっ…」
抵抗の言葉を言い切る間もなく、愁一が律動を始めた。
さっき擦られた秋良の気持ちいい一点を狙って擦られると、ぶわっと尾てい骨のあたりから快楽が押し寄せてくる。
苦しいのに、強制的に気持ちよくさせられているのが怖くて、ぶるぶるとかぶりを振った。
「あっあっんんっ…いや、やだ…!」
「ここ?」
「ひっ…! ダメだからそこっ…擦んないで」
愁一は秋良の善がるポイントを容赦なく突いてくる。
「やっ…やだああ!」
「はあっ…気持ちいい…?かわいい、かわいい秋良」
「んむうっ…!」
愁一に興奮した様子でキスをされ、秋良は訳がわからなくなる。そのまま律動が激しくなった。
舌で口の中をかき回され、下ではずんっずんっと気持ちいいしこりを集中して抉られ、快感が止まらないのが怖い。
イキたいのにイケなくて切なくなっていると、やっと愁一の手が性器も扱き始めてくれた。
「あっあっ…ひっ…やっ…!」
突かれると同時に性器も扱きあげられ、甘い声が止まらなくなる。
「はあっ…かわいいっ…秋良っ…ずっと、ずっとこうしたかった…っ」
もう達するぎりぎりまで限界が来ていた。愁一の激しいキスも止まらなくて、窒息しそうになる。
「秋良…秋良…!」
「あっあっ…もうイッ………!!」
秋良が達したと同時に、愁一の体も痙攣し、どくどくと秋良の中に精液が注ぎ込まれた。
愁一の動きが止まって、どさっとベッドに沈んだ。
(やっと…終わった…?)
中に入って来る熱を受け止めながら、秋良は意識を手放した。
愁一は息を切らせながら意識を失った秋良を痛いくらいに抱きしめる。
「好きだ。好きだ秋良……ごめん…ごめんね…」
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