1 再会

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 夕闇が迫る夢洲(ゆめしま)の大阪万博跡地に降り立った曽根は、輸送ヘリから小走りに離れると、彼を出迎えに来ていた伊丹に軽く頭を下げた。 「来てくれるとは思わなかったよ」  曽根に握手の手を差し出した伊丹が先ず口を開いた。 「来ないわけにはいかないでしょう、教授」 「教授はやめてくれたまえ。今は政府の監視下に置かれた罪人にすぎん」  離れた所に立つ武装兵に視線を向けた伊丹は自嘲の溜息をつくと言葉を継いだ。 「しかし、この時間帯に政府がヘリを使わせてくれたとは驚きだよ。いや。驚くべきは、君の度胸の方かな」 「急ぐならヘリです。時間的な余裕もありましたし」  深紫に沈みゆく空に早くも明るい光が1本流れた。  武装兵の待つ機動装甲車に乗り込んだ曽根と伊丹が島内最大の研究施設の門をくぐるころ、今夜も激しい流星雨が夜空を彩り始めた。  だが、3日前から始まった天体ショーを愛でる人間は地上には誰一人いなかった。
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