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何も手がかりが探せないまま、七月七日は明日に迫っていた。
私は半ばあきらめの境地に入っている。天の川という居酒屋も飲み屋も食堂もないし、そう呼ばれている公園もデートスポットも何もない。
私は、何をどうすればいいのか分からなかった。
もしかすると、心太は誰か他の人と間違えてLINEを送ったのかもしれない。
それしか考えられない。だって、四年ぶりのメッセージにしてはあっさりし過ぎているから。
私は途方に暮れたまま、七月七日の朝を迎えた。
「お母さん、天の川ってどこにあるか知ってる…?」
「天の川って夜空にあるんじゃないの?」
「…そうだよね」
私は苦笑いをして肩をすくめる。
「天の川に行きたいんだけど…」
「じゃ、死ぬしかないね」
母は、娘の悲痛な思いとは裏腹に面白がってそんな事を言う。
いや、待って、そうだよね…
普通は天の川で待ち合わせって、天国じゃないの?
天国…??
もしかして、心太は死んだ…?
私はもう一度LINEを確かめる。
いやだ… 心太は死んだのかもしれない…
いやいや、そんなことあるわけがない。
死んだ人間はスマホをいじれないはずだし。
私はブツブツとひとり言を言いながら、家を出た。
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