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今日七月七日は、保育士の私にとっては忙しい一日だった。
私の勤める幼稚園は、七月七日に盛大なイベントがあった。夏の七夕会といって園児のお遊戯や劇を発表する一大イベントだ。
私の受け持つ年中さんのクラスは、七夕にちなんで彦星と織姫の劇をするのがお決まりだった。
子供達は、紫色の大きな紙に絵の具やクレヨンでたくさんの星やお月様を描いた。そして、その中心に天の川を描いて、星の飾りやモールやキラキラした装飾品で手作りの星空を完成させた。
それは舞台の背景となり、彦星と織姫が再会する場面では舞台の床に移動して星空に浮かんでいる天の川、そして、キラキラと輝く夜の空を演出しなければならない。
真っ暗なホールの中、予行練習では星降る世界が表現できた。
失敗さえしなければ、大丈夫。
私は最高の笑顔を子供達に見せる。
「みんな~、準備はいい?
今日は、お母さんやお父さん達の前で、練習してきた事を発表しましょうね~」
「は~い」
担任の私の優柔不断な性格のために、彦星が6人、織姫は8人もいる。
中には、脇役のロケットや流れ星をしたがる子もいたが、結局はほとんどの子が主役をしたいのは当たり前の事。
私の思いは、できるのなら、皆に希望する役をやらせてあげたい。
という事で、なり手がいない脇役は私の仕事で、とにかく目が回るほど忙しかった。
「美緒先生のお母さんも来るの?」
一番やんちゃなたっくんがそう聞いてきた。
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