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廊下を吹き抜ける風の音が不気味に聞こえる。
「静かですね」
「そぉう、いつもよ・・・あ、ズボン」
煙草の火を消し、風呂場から洗面器を持ってズボンだけ出して風呂場へ戻る。
ジャ―、水の流れる音がする。
男はろうそくを持って高い所へ置いた。
「別に、いいのに」
「水につけっぱなしじゃいくらウオッシャブルでもダメになるでしょ」
「そうなのかな?」
パン、パン、パン
「このままここで乾かしちゃうから」
「ありがと」
男はベッドにもぐって丸くなった、女はろうそくを持ってきて座って酒を飲む、後ろの押入れを開け、大きなバスタオルを出しそれにくるまった。
煙草に手を伸ばす。
「風邪ひくよ?」
「大丈夫」
「何もしないから布団は入りなよ」
「いい」
「風邪ひかれたら、俺、ママさんに殺されちゃう、ね、一緒に寝よ」
「ウソだもん、保証がないからいい」
「絶対何もしません、殺されたくないからしません」
寒かった、風が通るたび、気温が下がるのを感じた。女は渋渋ベッドに入るとバスタオルを巻きつけ眠った。
「早え、もう寝たのかよ、みおさーん、ちょっと無防備ですよー」
スース―と寝息を立てている
「疲れてたんだな、あったけー」
布団をかけると抱き着いて男も眠りについた。
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