act2

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ワゴン車、新人のヒロちゃんが運転手。 「じゃ、何、この中で運転できるの、後、ミーちゃんだけ、じゃ、帰りも私、えー、いやだー。ミーちゃん、帰り頼める?」 「ん、オートマだもんね、ゆっくりでもいい?それだったらいいよ、久しぶりだから運転」 「どれくらい?」 「半年ぐらいかな、ねえ、もう少ししたら変わって少し慣らしたい」 「じゃ、そこのコンビニでかわろ」 「ワー、久しぶり、エンジンは、キーレスだ、すごい、軽しか乗ったことないから、やっぱり大きいね」 「じゃ、後ろいるから、何かあったら言って」 「うん」 「出発進行ー」 昼に出て、夕方には着く予定、新人のヒロちゃんはきれいな男の子、ちょっと化粧をするだけで女の子。トシちゃん、性同一性障害、気さくな子、相談事はこの子がいい口が堅い、大学まで行った頭のいい子、アルバイトから社員になった。まさみちゃん、ゲイ、マッチョな子、心は一番きれい、ママの次に心配してくれる。ちょっと軽いかな。淳子ちゃんママと同い年、ちょっとおばさんぽい、そしてママ、五十前、淳子ちゃんよりずーっと若く見える、私の恩人。 「やっぱり、夜の蝶は夜よね」 「そうじゃなきゃ、私たちの魅力わかんないじゃない」 そんな女子みたいな会話が続く。 「ヒロちゃん、高速入ったよ、どっちに移たらいい?」 「右、ずーっと右にいて」 「わかった」 「うまいじゃない、ミーちゃん、降りたら、変わるは」 「はーい」 ―良かったわね、あの子連れてきて ーでも今日の格好、モロ、男の子よね そういわれた女の格好、刈り上げにした頭には黒い帽子、すっぴん、だぼっとした白いシャツにジーンズ姿、薄い色のサングラスは少年のような顔つきにする。 ―あの子は男が嫌いなの ーえーじゃ、私たちも? 「好きよ、トシちゃん、また今度、お買い物行きましょ」 「ワー、お願い、ミーちゃんセンスいいのよね」 「ほんと、私も行きたーい、つれてってー」 「大きいサイズってなかなかないからさ、ホント助かっちゃう」 「見て見て、これ、ミーちゃんに選んでもらったの」 女性用の下着、透け透けのレースがいっぱいのショーツにレースのシャツ。 「かわいい、このシャツ、どこで買ったの?」 「アウトレットよ、この間出来た」 「ウッソーン、いやだー、私も行きたい」 そんな話が永遠続く 「ねえ、そろそろだけど、どこで変わる?」 「そうね、お姉さんたち、トイレは?」 「行こうかしら」「じゃあさこの先のコンビニ止めて」 「バック、怖いから、頭から入るね」 「うん、お願い」 「ヤッター、何とかついた」 「いや~ん、ミーちゃん、かわいい、やればできる子ね」 「そう、ありがと、ねえ、吸ってもいい?」 「いいわよ、お疲れ様」 煙草に火をつけようとした。窓を開ける。 「ねえ、海の匂いしない?」 「見て、向こう、海よ、海」 ―ワー夕焼け、きれい コンビニの駐車場からはきれいな夕日が見えた 「ねえ、外、並んで、取ってあげる」 スマホを取り出し、みんなを撮った。夕日と、少し見える海をバックに入れて。 「送って、きれい、ミーちゃんさすがね」 「私も」「いやん、私にも」 「ねえ、ママ、一緒に取ろ」 「いいわね」 「イエーイ」 久しぶりの笑顔は、ママとのツーショットに納まった。 ―ついたー ―海よ―みんなー 始めは、久しぶりの景色にみんな興奮していたが、だんだん、暗くなると車の方へ戻ってきた。 「ナンパする?」 「これからの時間、アベックばっかりでいいのなんか探せないわよ」 「えー、そんなのつまんないー」 「あそこ行けば?」 女は海の家を指さした。 「アルバイトとかさ、ひっかけちゃえば?」 「それいい、ミーちゃん、いこ」 「私、いい、これ、飲んでる」 コンビニで買ったビールを差し出す。 「そう?じゃ、私たちだけで行きましょ」 「後でおいでね」 「うん」
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