act2

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黒のベースボールキャップを深くかぶる、車のそばに腰かけ、海を見ながら缶ビールを飲んだ。車のライトが時折海岸を映す。 「お姉さん一人?」 二人組の男が声をかけてきた。 (こいつら、ぜってー体狙い、何で女ってわかるんだろ?) 煙草をふかしながらシカトする 「いこーぜ」 空になったビールの缶、隣にあるヌルい缶に手を伸ばす。 「遊ばない?」 ビールを取られた。低い声で言う。 「いやだ」 フーッ 煙草の煙をわざとふりまく。 「隣座ってもいい?」 「じゃま」 隣に座る男、取られたビールに手を伸ばす。 プシュ、ゴクゴク、ハー (ハア?何こいつ人の飲んでんだ?) あきれた、めんどくさかった、煙草を消して、ママたちの行った海の家に向かった。 ―おい、行こうぜ 何やら話してる ―ばっかじゃねーの そんな声が後ろから聞こえた。男が一人ついてくる。 「あら、いい男連れて来たじゃない」 「へーやるじゃん」 オカマ達が男を囲んだ。女はママの方へ行くと耳元で言った。 「ごめん頼んでいい?飲みたいの、奥にいるね」 「いいわよ、こっちは任せて」 奥の座敷に背を向けてあぐらをかいた 「何にしますか?」 「生ビール」 「生ビール一丁」 女は煙草に火をつけた、ビールが来た、冷たいグラスに口を付けた。 そこへ、三人組の男が入ってきた。 「キャー、当たりよ、当たり」 「みんなで飲みましょ、おごるから」 お店の子たちは四人の男性に黄色い声を上げていた。
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