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黒い雨が延々と私に降り注ぐ。
黒い水滴を祓っても祓っても絶え間なく降り注ぐ。
見上げる空は暗く淀み厚い雲に覆われて陽の光も見えずに。
この胸の叫びは孤独は痛みは自分だけのものと思っていた。誰にもわからないものだから。ただ一人で絶望に近い悲壮を抱えながら、この地獄を生きていくしかないのだと思っていた。諦めは途方に暮れていたのに・・・
あなたは突然に現れた。
死の淵を彷徨っているような危うさ。刃のような冷たい眼。容易に踏み込ませない固く閉ざした心。
どこか自分と似たあなたを放っておけなくて。
「一緒に生きよう」と遠回しに言ってくれたあなたは奇跡。
不器用だけど感じるよ。真の心根を。
あなたといたらこの黒い雨もいずれ止むでしょうか。
そう願う心と共に空を見上げると、陽の光が少し零れてきているように見えた。
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