おれが助ける!

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部長が早退した………。 打ち合わせ前まで、一緒に豚カツ食べて、美味しいって言ってて、全く具合悪そうではなかった。 少しテンション高いなって思ったくらい。 おれはすぐに小倉部長にメールをしたけど、全然返信が返ってこなかった。2時間経って、やっぱり心配でおれは電話をかけたけど、それも出なかった。 居ても立ってもいられなくなったおれは定時でぴったり会社を出て、衝動のまま部長の家に向かっていた。 "部長、定時で上がったので今からおれ行きます!欲しいものないですか、生きてますか!" 電車の距離がもどかしい。早く、急いで。 送ったメッセージに返信はないまま。 「大丈夫、部長は寝てるだけだきっと。大丈夫。」 コンビニでスポーツドリンクや食べれそうなゼリー、チンしたらできるお粥などを手に取る。何か足りなければ後でまた買いに来ればいいと思って取り急ぎパパッと購入した。 家の前まで着いて、もう一度携帯に電話をかける。 「部長、全然出ない…。」 インターフォンを鳴らしてみるが何も反応ない。 叱られるのを覚悟で玄関のドアノブを握った。 「無用心だ…鍵空いてる………。  部長!ごめんなさい!失礼します!!」 おれは家に上がり、部長のお部屋に直行した。 「部長…寝てた…良かった………」 ホッとして涙が出そうになる。 グッと堪えて部長に近づき顔をみる。汗をかいてて顔色も悪い。 冷えピタを剥がし、タオルを拝借して汗を拭く。 救急箱がキッチンのとこに出してあったのでそこから新しい冷えピタを勝手に開けておでこに貼る。 「部長…寒くないですか?何か飲みますか?」 まだ目を閉じたまま。 苦しそうな表情みると感情移入してきちゃう。 大丈夫、大丈夫、と額にかかった髪の毛をはらって、頭を撫でる。 「おれが側についてますからね。」 部長の部屋から動かないまま、持ち帰ってきたノートパソコンを立ち上げ、メールの確認をする。 しばらく作業をしてると、ガタッ音が聞こえた。小次郎がこっちを覗いていた。 「そっか、小次郎のご飯やらないと!ごめんなあ、お前のご主人様いま動けないの。おれが準備しても、ちゃんと食べてくれるかなぁ。」 残念ながら小次郎とは物理的にも距離が縮まらない。向こうが一定の距離を保っているのだ。部長曰く警戒してるって。 キャットフードがキッチンにあったので、床にあったお皿に盛る。量とか分からないけど、ないよりマシなはず。 もう一つ同じお皿もあったので、お水を入れる。 「小次郎くん、ご飯ここに置いたから食べてね、お願いだよーーー小次郎まで元気なくしたらダメだからね!」 おれがいたら絶対食べないと思い、すぐ部長の部屋に戻る。もうすぐ20時になる。一度起こしてご飯とか食べた方がいいよね…。
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