プロローグ

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 胸の奥で、ろうそくの火のように灯る、小さな欲望。  不安定で、ひどく醜い。歪んだ、欲望。  俺は、それを見てみぬふりをふる。  何事もなかったように、素知らぬ顔をして  その、気持ちを押し込んで、思い留めて。  誰にも、一言も言わず、隠し通すんだ。  ろうそくの火が消える、その日まで  ただじっと、耐えて、待つ。
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