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「――悪いけど、誰とも付き合う気ないから」
そうバッサリと言い切った男の声が、少し離れたところにいる白崎 秀の耳まで、はっきりと響いた。
放課後の下駄箱。生徒の下校時間のピークはとっくに過ぎて、校舎はがらんとしていた。この日、秀は図書室で勉強をしていた。いつもは閉館時間ギリギリまで居残るが、今日は夕方から雨の予報だったので、早めに切り上げることにした。
秀は、下駄箱の棚に身を潜めながら、声のする方にそろそろと近付いていった。
――あ。
クラスメイトの青木 良が、女子生徒と向き合って立っている。
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