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私はそうやって笑ったけど、小次郎が来なかったら、本当は笑い事じゃなかった。
「じゃあ、美波ちゃん。俺とデートしよっか?」
「デート?」
私と美波は声を合わせて驚いた。
「美波ちゃんの、デート用の可愛い服出してよ」
「でも、こんな大雨なのに?」
「大丈夫、大丈夫。マンションの中、ふらっとしてくるだけだから」
美波は「やったー!」と大はしゃぎしている。私は一番可愛いピンクのヒラヒラの服を用意した。
「お昼ご飯、なにか作っておくから」
私は楽しそうに手をつないで出かける小次郎と美波を送り出した。
雨は全然止みそうにない。でも、美波もきっと雨の日が好きになるんじゃないかって、そんな気がした。
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