雨の日の怪獣

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いけど、なんだか私も娘のことが嫌いになりそうだった。助けてほしいけど、大好きなお父さんは去年突然病気で亡くなった。  私は冷凍庫にアイスがあるのを思い出した。 「美波、アイス食べよっか?」  喜んで「うん、食べる」って言ってくれるのを期待したのに、美波は私を睨みながら「いらない」と、ギュッと口をつむんだ。  私はカッとして娘を強引に抱えると、マンションの部屋の外に追い出した。 「そんなに動物園行きたいならひとりで行ってきなさいよ」 「いやー! ママと行くの」  泣きながらすがりついてくる娘を何度も引き剥がした。 「うるさい、早く行け! もう、戻ってくるな!」  私はもう無理かもしれない。どうやったら自分の感情が抑えられるのか、わからなくなった。 「なに、なに? ケンカ中?」  声がする方を見ると、雨でずぶ濡れになった作業着姿の小次郎が私達を興味深そうに見ていた。 「コジロー!」
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