やまないで、雨

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俺はアプリでモテていて、数人の女性とやりとりしている。 モテてはいるが、急に音信不通になったり、逆に俺もめんどくさい人に会ったらブロックするということもあった。 そういうやりとりは消耗する。 でも、このユナちゃんは、俺のことをよく見てくれていて、俺がシャワー浴びたいとか言ってもよくわかってなくて、曇り空の海でも本気で楽しんでいる。 「え、なんか私やなこと言っちゃった?」 「いや、そのとおりだよ。俺は肉が大好きだよ。シャワーも大好きだ」 「なにそれ」 変な人、とでもいいたげな表情だ。 「次は、晴れた日に海に行こう」 そう宣言して、俺は最後のカツサンドに手を伸ばした。 (完)
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