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海に着いて車を止めたあと、俺たちはビーチサンダルに履き替えて、波打ち際まで行った。
足だけ海水に浸ったが、6月だとまだ冷たい。
ユナちゃんが綺麗な貝殻拾いに熱中している間、俺はポケットのスマホを取り出して時刻を確認した。現在11時半。曇り空。12時から降水確率は90%。わくわくする。
「ねえ!いいのあったーー!!」
ユナちゃんが右手を掲げて振り向き、大声で俺に叫んだ。
笑顔と、白いショートパンツからのぞく生足が眩しい。
俺はスマホのカメラボタンをタップし、そのユナちゃんの姿を写真に撮った。
「今撮ったでしょーー!!」
なぜか爆笑しながら、俺の方に走ってきた。こどもみたいだ。
「結構よく撮れてるよ。LINEのアイコンにしたら?」
ユナちゃんは俺のスマホを覗きこむ。
「だめ。空が青くないもん」
女子の映えに対する執念は凄まじいな。
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