8人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここからだと私のお家の方が近いよね。お母さん家にいるけど、全然使っていいと思うよ!シャワー浴びる?」
「いやいや、さすがに家におじゃま出来ないよ、うん!そういうつもりじゃなくてさ、」
「じゃあマサくん家?」
「や、うちもまあ、使っていいけど…、まあシャワーは別にいっか!!」
「あはは、だよね。私ね、汗ふきシート持ってるから1枚あげる!」
「ああ、ありがとう···」
本当は車の収納にギャッツビーの汗ふきシートをいつも入れているのだが、説明するのにも力が入らず、ユナちゃんから1枚貰った。
ギャッツビーより全然スースー感が物足りないが、香りはよかった。
俺はなぜ実家暮らしなんだろう。それは会社が実家から近いからだ。
でもマッチングアプリをしているなら一人暮らしの方がいいよな…。
いやそれはどうでもいいか。
なんか、このまま普通のデートだけで終わってもいいかって気分になってきた。
「このあとどうする?」
ユナちゃんが聞く。
「そうだなー、雨やみそうにないし…ゲーセンか、あのユナちゃんが行きたがってたパスタ屋さんとかさ、」
「今、パスタって感じじゃないし、ガヤガヤしたところには行きたくないの」
ユナちゃんの目が、まっすぐこちらを見ている。
最初のコメントを投稿しよう!