やまないで、雨

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「ここからだと私のお家の方が近いよね。お母さん家にいるけど、全然使っていいと思うよ!シャワー浴びる?」 「いやいや、さすがに家におじゃま出来ないよ、うん!そういうつもりじゃなくてさ、」 「じゃあマサくん家?」 「や、うちもまあ、使っていいけど…、まあシャワーは別にいっか!!」 「あはは、だよね。私ね、汗ふきシート持ってるから1枚あげる!」 「ああ、ありがとう···」 本当は車の収納にギャッツビーの汗ふきシートをいつも入れているのだが、説明するのにも力が入らず、ユナちゃんから1枚貰った。 ギャッツビーより全然スースー感が物足りないが、香りはよかった。 俺はなぜ実家暮らしなんだろう。それは会社が実家から近いからだ。 でもマッチングアプリをしているなら一人暮らしの方がいいよな…。 いやそれはどうでもいいか。 なんか、このまま普通のデートだけで終わってもいいかって気分になってきた。 「このあとどうする?」 ユナちゃんが聞く。 「そうだなー、雨やみそうにないし…ゲーセンか、あのユナちゃんが行きたがってたパスタ屋さんとかさ、」 「今、パスタって感じじゃないし、ガヤガヤしたところには行きたくないの」 ユナちゃんの目が、まっすぐこちらを見ている。
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