時雨

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時雨

夕暮の雨は鈍色の針先。 遠くへと君を連れ去る。 給水タンクの稜線。 非常階段の螺旋の影。 スレートのエッジが棘棘しく反射する。 そんな全部が…私を曇らせる。 宵入りの雨は朽ちかけの花弁。 君は…私は…散り散りに舞うばかり。
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