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歌う隊の隊長がいきなり壁の映像になって現れた。
思わずフォークを落としそうになった。
「あの、今 俺飯の途中なんですけど?」
「君が仕事熱心なのを、専属の者から聞いたのでね。
だから飯の時間を狙ってやってきた。」
「いや、やってきてないですよね??」
「実は隣の部屋にいる。」
「どんなどっきりですか。」
「君は歌う隊を誤解している。」
「歌う、んでしょ?」
「そうだ。」
「誤解しようがないとおもうんですが」
「そこが違う。」
まずい。
そろそろ飯を食べ終わらないと室長が・・・
「歌う隊は、世界の為に戦う隊なのだ。」
「そうですか~~~!」
「そうだ、だから君も」
「すみません、次の授業にいかないと」
ガタン・・・
隣の女の子が涙目だ。
「いいなあ・・・私なんて、歌う隊にぜんぜん声かけてもらえないのに」
俺は思わず口にしたパンをむせそうになった。
「そ、それじゃあ、あの人に言ったらいいよ!!
君の方がやる気がある!!その方がいいよ!!」
バタバタ・・・
隣の部屋にいた隊長が、いきなり目の前に迫ってきた。
「ほ、ほんとにいたんだ??」
「なぜそこまで嫌がるのか、理由をきかせてもらおうか」
「なぜそこまで俺にこだわるのか理由があっても聞きたくない」
ふっ・・・
不敵な笑みって知ってる?あれ、今この人がやってる。
「君のそのがんこさは、遺伝なのだろうね。」
「そこまでいう??」
「いいな、私なんて・・・」
「あ~~~~あ!!い~~~~けないんだ、いけないんだ~~~!!
女の子を泣かした~~~~!!いけないんだ!!
室長、この人、女の子を泣かしてますよ~~~~!!」
室長は、困ったように額にしわをつくっておでこに指をあてている。
「はははは、なかなかユニークだね。
いいだろう、また来る。」
爽やかに隊長は、去っていった。
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