現実とちょっとだけ違った世界

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俺はそれ以来、遺伝子的頑固者というありがたいニックネームをいただくことになった。 「よお、遺伝子!」 悪友の薫がやってきた。 「仕事終わったか?」 大きな袋に沢山のりんごを詰めて、腕の筋肉がはちきれそうだ。 「遺伝子で止めるな」 「じゃあなに、遺伝子頑固。 いや言いづらいな、頑固な遺伝子の方がいいか。」 「何その頑固な汚れ的なやつは。薫、そんなことより あの女の子は?」 「なんか歌う隊に入ったそうだぞ?良かったな、お前のおかげか~~!」 「なんかその言い方やだな」 薫はりんごを机に置くと、椅子に座って真面目な顔になった。 「聞いたか、あの成人した後の話。」 「偶然言われた。」 「仕事が定職になるんだってな。」 「まだ時間があるだろ。 そうだ、明日から俺、海にいくんだ。」 「そうか、じゃあまたしばらく会えないな。 元気でいろよ、海でサメに遭わないようにな!」
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