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それは先に述べた他者の存在であったり、また自分自身のことを受け入れられることであったりその人なりのこれがあれば大丈夫というものを指す。
自立している人はこの心の拠り所をうまく活用できるが、自立していない人はなかなかその部分をうまく作り出せず、ところかまわず今目の前で自分の心を満たせそうなものに依拠する。
そうなれば、無駄なものを嫌い、承認欲求を過剰に求め、もしかしたら家庭内暴力で家庭を支配するかもしれないし、上司として権力を振りかざすかもしれない。そうやって、心の拠り所を一時的に作ってはまたなくなるということを繰り返してしまう。
そのような状態になると、夕日を見てきれいだなと思うことも無くなるし、雨上がりの空に虹がかかっていても気がつかいのだ。なぜならば、心の拠り所を探すことにしか目がいかないからである。
これらのことを踏まえると、自立というのは単なる社会適応の他に、自分自身の幸福とも直結してくることである。だから、大人たちは自立を促し、口酸っぱく何度も呪いの言葉のように繰り返すのだ。
自立しろ、と。
ただ、先に述べていた通り、自立は何も一人で何でもかんでもやれということではない。自分なりに受け入れながら、人に頼り頼られる中で過酷な社会を生き抜いていく。
それが自立なのだ。
そして、その自立の第一歩として、まずは自分自身を理解し受け入れていくということがとても重要になってくる。
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