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戴冠式の流れや与えられる冠位である等級についての説明、等級が決まればそれらが何等星に属するのかの説明、そうして決められた冠位によりどこの空に行くのかなど簡潔に、されど分かりやすく話がなされる。
そういった様々な説明を終えると、今度は男星が少し前に出て星の子らに近付き、とても明るい輝きで瞬いた。
誰よりも眩いその輝きこそ、一等星の証だ。
「皆はとても成長した。それに伴い冠位を授ける。」
その言葉が合図かのように星の子らは男星の方へ列を作り、各々の輝きから導き出される等級をくだされていく。
中でも名が与えられた星の子は新たな衣を授かる。
薄い衣の羽織であるそれは、限られたものにしか与えられないためとても貴重なものである。
そのため、その衣を身に纏えるものは皆から羨ましがられるらしく、受け取ったものはどこか誇らしげな光を放っている。
戴冠式は何時間にも及ぶもので、休む間もなく夫婦星から冠位を授けられる。
まだ等級をくだされていない子らは緊張の面持ちで、すでに授けられた子らは今後の自身の役割を重く受け止めているのか、先程までのはしゃいでいた様子とは打って変わってキリッとした眼をしている。
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