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星空に月が雲に隠れている。
夜の公園には、一組の男女がいた。
静かに星空を眺めるにはうってつけだ、
「今日は星がよく見えるね。
ねえ、今日の飲み会楽しかったね。
私まだお腹空いてるんだよね。」女は男に声をかけた。
男は黙って月を見ていた。
女は男の腕を突っつきながら言った。
「ねえ、これからどうする?飲みなおそうか?」
「もう少しここにいよう…」
「え!終電なくなっちゃうんだけど。家近いんだけど来る?」女は男の腕をつかんでいった。
男の返事はない。
「ねえ、最近このあたり最近よく人が殺される事件あったとこじゃないっけ?
私怖いから、一緒に朝までいてよ。」
「あとちょっとだけ、ここにいよう…。もうすぐ満月が顔を出すよ。」
「もう、ずっと空ばっか見てるじゃん。
草食系男子くんさー、こういう時って家に行くもんよ。意気地なしね。」女は男の腕を持ち立ち上がった。
男は月を指した。
雲から満月が出てきた。
ウウォオー!!
急に男はうなり声を上げた。
男の体はみるみるうちに毛だらけになり、口はとんがり牙を出し、指には鋭い爪が生えた。
「はっはっはは!
ばかにするな!俺は、草食系男子じゃない。肉食の狼男だ。
黙って聞いていれば好きかって言いやがって。
それにしてもなんて品のない肉食系女子だ。
お前なんて食ってやる!」男は大きい声を上げて女に襲い掛かった。
女は、掴んでいた男の腕をねじり上げた。
「ふふふふ。はははは!」女は笑い出した。
男はあまりの痛さに悲鳴を上げた。
「痛い!!何をする!お前何者だ。」
「私は肉食系女子じゃない。肉食女子よ。草食系男子を食べるのも飽きたし、今日はジビエも悪くないわね。この場で食ってやる。」
そう言って、女は男のを締め上げ頸動脈にかぶり付いた。
ギヤァーー
綺麗な星空が広がる公園に断末魔の叫び声が響き渡った。
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