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いよいよ、別れの時が近づく…
佑ちゃんは、私を素早く抱きしめた。
一瞬、ほんの少しギュッと力を込めると、
「行ってくる!」
そう言って、振り向きもせずにゲートをくぐって行ってしまった。
そんな彼の背中が、涙でぼやけて見えた。
佑ちゃん、頑張って!私も頑張るから!
私は、そう心の中で何度も呟いた。
大丈夫だから…
私はエンゲージリングを撫でながら、飛び立つ飛行機を見送った。
私は、佑ちゃんの大切な人…
佑ちゃんは、私の大切な人…
???
ま、待てよ?
私は指輪してるけど、佑ちゃんは指輪してないじゃん!
佑ちゃんが私の大切な人だって、誰にもわからないんじゃないの?
しまった…
エンゲージリングじゃなくてマリッジリング、せめてペアリングでも渡しておくべきだった!
………。
やっぱ、近いうちに…
サウジに行って来ようかな…?
end
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