転機

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「言いたいことあんなら直接言えよ。群れてる時にしかイキれない小心者」 「な…っ」 「お、おい奏一…!」 ズバズバと言葉を投げつける奏一に、笹木たちは顔を引きつらせた。 陽介が慌てて止めに入ろうとする中、完全に奏一側の女子生徒たちがクスクスと小さく笑う。 それに顔を真っ赤に染めた連中の中で、ガタッと笹木が立ち上がった。 そして大股で奏一の元へと迫って行く。 流石にまずいと感じた周りが騒つき出す。 笹木が目の前に来てもなお、奏一は変わらず鋭い視線で相手を睨みつけていた。 「テメェ調子こいてんなよスカシ野郎ッ!」 「スカシてんのはお前だろーが」 「あぁッ!?」 「そうやって大声出せばビビると思ってんのかよ、単細胞」 「ッ、この…!」 完全にキレた笹木が、奏一の胸倉を掴み上げた。 女子生徒が悲鳴を上げる中、笹木は拳を振り上げる。 次には振り下ろした拳の鈍い音と、机や椅子がぶつかる大きな音が教室に響いた。 「いってー…っ」 そう言って座り込んだ相手に、立ち尽くした奏一が目を見張る。 次には慌てて陽介が相手の元へ駆け寄った。 「ま、真琴っ、大丈夫か!?」 「ん?あはは、へーきへーき。いやぁビビッた。いきなり凄いことになってるからさ」 殴られた頬を押さえながら、ヘラヘラと笑みを浮かべている真琴。 その姿を呆然と眺めていた奏一は、次には目尻を吊り上げた。
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