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貴志は、やや苦悶の表情を浮かべながら、
「もう、いいよ・・・・。」
と昌也の手を振り払おうとした。
そして、自分の手と昌也の手が触れた瞬間・・。
自分の脳裏に、閃光と小さな電流みたいなものが走った。
その時、青白い画像の中で、何処かの風景が一瞬だけ浮かんだのだ。
ハッとした貴志は、慌てて手を離し我に返る。
「おい、大丈夫か?」
昌也が心配していた。
気を取り直した貴志がおもむろに立ち上がる。
「もういいよ。分かったから。俺、バイトがあるから、そろそろ帰るよ。」
「まあ待てよ。一緒に帰ろう。今日、部活休みだから。」
昌也も、後に続く。
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