第六章 二.

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「説明ありがとうございます、だいたい分かりました。それで、どうしてぼくを探しに?」 「藤枝さんが、この亀戸天神社のウラガミ様だと思って、会いに来たんです」 「え? それは……」 「黒い煙、見えたんでしょう?」 「……まぁ」 「ウラガミ様にしか、死気は見えないんです。なので、あなたは間違いなくウラガミ様。ヒナゲシ会に入ってくれませんか? お願いします」  沙雪が頭を下げる。いつでも、ウラガミになってくれというのは彼女で、一番に頭を下げるのもそうだ。 「ぼくは、ただの大学生です。能力がどうとか、そういうことを言われても……」 「汐吉、沙雪。大事なことを言ってないよ」 「え?」 「死気のこと」 「あ、しまった」  蒼早に指摘をされて、そのことを話し忘れていたことに気付く。仕方なさそうに、蒼早が続けた。
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