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沙雪に連絡をし、木曜日に沙雪、汐吉、蒼早で布瀬の家を訪ねることになった。路上に三人がいるのは、そういう経緯があってのことで、汐吉は真菅からもらったメモを目で追いかける。
「えーと、ソルティアウト、ソルティアウト……ここだ」
“ソルティアウト”という名前のマンションの前で立ち止まる。
富岡八幡宮の近くで、川沿いにあるそこは、白っぽい色をした建物だった。
ごく普通のどこにでもあるマンションのように思われた。
「四〇三……うん、あってる。表札は、布瀬だな」
オートロックではないため、ここまですんなり来た。良くも悪くも、中に本人がいるかどうかは分からない。
「とりあえず、私がインターホンを押してみますね」
沙雪がいい、汐吉がうなずいたので、彼女が指先を伸ばす。チャイムの音が確実に部屋に響いたのが聞こえる。数秒してから、
「はーい」
とインターホンから声がした。男性の声だ。
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