第七章 一.

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第七章 一.

「水しかないんす、すんません」 「いや、お構いなく」 「ありがとうございます」  なんとか四人とも座り、テーブルを囲む。ここへ来たときはついていたテレビも、快次が消してしまった。 「ここには、どうして?」 「真菅警視正から」  沙雪が素直に答えると、快次はため息をついてぼやく。 「……警察の人って、外部に住所もらしてもいいんすね」 「あの、私と、この鹿占蒼早くんは、警察関係者っていう括りになるんです」 「へぇ」  蒼早の方に手を置きながら言うが、彼の反応は鈍い。 「じゃあそこの人は? 部外者?」 「……俺は、ウラガミだ。ヒナゲシ会には入ってないけど、能力が必要だから協力している」 「ウラガミ……ヒナゲシ会。さっきのヒーローってなんのことっすか?」  不思議そうに首をかしげる。話を聞いてくれるようで、沙雪はそのことに安堵した。
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