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快次と同じように、自分も、逃げていた。自分に能力があるなんて信じられず、でも必要だといわれて、行動を共にするようになり、水品だけでなく松ヶ枝も浄化した自身の能力。
偽物ではなく、本物であること。沙雪や蒼早は、本当にヒナゲシ会の一員であり、ウラガミ様であるということ。
「これは、私の経験上ですが……、逃げることは何回でもできます。もし、布瀬さんが、自分にはできないって思うならもちろん、強制はできませんからやめていただいてもいいんです。でも……やる前から諦めてしまうのは、もったいないと思いませんか?」
快次へ向けられているはずのそれは、汐吉自身も言われているような気持ちになってきた。
「……そんなに、熱心に勧誘されたことないんすよ」
厳しい顔つきだった快次が笑う。
「……オレもヒーローになれるんすかね。難しいことはあまり考えらんないし、体力だけは馬鹿みたいにあるような、使い勝手が悪い男っすけど」
状況が好転しはじめた。快次が前向きになっている。部屋の空気も、夕方から昼間に戻りつつある。
「使い勝手がどうとか、モノじゃないから関係ない」
「そうよ! 布瀬さん、ヒナゲシ会に入ってくれるんですね?!」
「……オレ……」
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