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「すみません、届け出が出されただけということでしたが、いつですか?」
「今日ですよ」
「今日?!」
「一時間ほど前ですね」
時計を見ながら彼女が言う。まだ午前中の今、もしかしたらまだ学内にいるかもしれない。
「もう帰っちゃいましたか?」
「ええ。本当に顔色が悪そうで……保健室で休憩したらどうかと言ったのですが」
保健室とは違う方向へ行ったらしい。
「バス停の方へは西門のほうが近いんです」
バス停にはもういない可能性が高いだろう。それでも、もしかしたら追いつけるかもしれない。病気なのだとしたら、万一が起こってからでは遅いことを経験上彼女は知っていた。
「ありがとうございました、またお伺いしてもいいですか?」
「ええ、はい」
「では、今日はこれで。失礼いたします」
席を立った沙雪は鞄を持って教務課の入っている建物を飛び出た。
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