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「……はい、先にサラダ。これドレッシング、二種類あるから、好きなのを使え。フォークと紙ナプキンはここ」
「はい」
「お、トーストもできたな」
カウンターの上にミニサラダを置き、若葉が手元に動かしたあとでトーストもお皿に乗せて目の前に置いた。
「コーヒーの粉は……紅乃が用意してくれてるな、これを使うか」
「土曜日はやってないんですよね?」
「金曜日の片付けのときに、紅乃が月曜日に使う分を用意してくれるんだ。だからすぐできる」
紅茶は茶葉だからコーヒー豆のほうが準備に時間がかかる。それでも、作ってしまえばあっという間だ。
「ドリップコーヒーは楽なんだが、こういうときはサイフォンのほうがいいだろうな。真菅なら紙ドリップで淹れたコーヒーを出すところだ」
「それは、いい意味で考えても?」
「ああ。さっさとコーヒーを淹れてゆっくり話し込むのもいいけどさ。せっかく時間があるんだ、急ぎの用事もないんだろ?」
「はい」
「なら、これがいい。温度ってやつが感じられるぞ」
そう言いながら、若葉からは見えないところからカウンターの上にサイフォンを引っ張り出してくる。
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