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第八章 二.
ぐつぐつと、水が沸騰しはじめた。
「沸騰してますよ」
「ああ……」
若葉にいわれ、うなずくとロートの中にフィルター、そしてコーヒーの粉をいれてセットを終えると、水が沸騰しているフラスコの中にロートをゆっくりいれた。
「だからさ。本当に俺に能力があるのか、信じられなかったし。ヒナゲシ会に入ったところで、何も変わらないって、思っていた。でも……」
沙雪の仲間集めに奔走する姿、奮闘する姿。蒼早の大人びた思考に子供じみたプライドとそれを守ろうとする言動、そして元警察官である快次の優しすぎる性格とギャップのある能力、それと向かい合う決意。そのきっかけを与えたのは真菅。
ヒナゲシ会に入っていなくても仲間だと言ってくれ、扱ってくれる沙雪たち。
このまま甘えていいのか。本当は、快次の家へ行ったあの時に、ヒナゲシ会に入ると言いたかった。でも勇気が出せなかった。
他の人がまぶしくて、自分は不釣り合いじゃないのか――。
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