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「……迷う俺と一緒に動いてくれたアイツらが、教えてくれた。未来のことを考えるべきだって。だから、俺は……、近いうちに、ヒナゲシ会に正式に入るって言おうと思っている」
静かにコーヒーの粉を混ぜる。紙ドリップとは違い、手間がかかるが、穏やかな時間を作るのにはぴったりだ。
「……俺ばっかりしゃべって恥ずかしい。藤枝さんもなんか話せ」
「え、ええ?」
いつの間にか弱火だった火は消えている。汐吉は無言のまま、ロートの中を混ぜた。
「松浪さんが、考え無しにここに行けっていうはずがない。何か、あるんじゃないのか。話したいこと」
若葉は、ぐっ、と口を閉じた。
――『喰代さんは、聞き上手で話し上手だから。私は、あなたの病気のこと、理解できるし助けてあげたい。それと同じで、あなたの悩みを聞いてくれる人がきっと必要なのよ。私だと年上すぎて話しにくいでしょうから、年が近い喰代さんのほうがいいわ』
沙雪は、電話でそう言っていた。意を決して、口を開く。
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