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「……紅乃、店番を変われ」
「へっ!?」
「カンテラに藤枝若葉っていうやつがいる。そいつにここに来るようにいえ。携帯で松浪さんに連絡とるようにとも」
「え、えっ、でも、亜子ちゃんが」
「いいから行け!! 時間がないんだ!」
「っ……、は、はいっ」
これまで一度も聞いたことのないような―いや、沙雪が店に来た日は聞いたことがある―大声に肩を震わせながらもなんとかうなずく。
亜子をそっと地面に横たわらせると、カンテラのほうへ走っていった。
「明坂さん、ですか。あの二人がどんな言い合いをしていたか覚えていますか」
「えっと、えっと……」
瑞樹は懸命に数分前のことを思い出す。そう、撮影は順調だった。天芽が、亜子にああやって声をかけるまでは。
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