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「……水品さんが来たことも、松浪さんが来たことも、よく分かりました。ヒナゲシ会というものも、だいたいは」
「では、汐吉さん、入会してくれますね?」
「嫌です」
「えっ」
満を持しての質問を一言で淡白な返事をしてしまった彼に、沙雪もさすがに驚いた表情をする。
「ウラガミ様とか警視庁公認の妖対策課とかうさんくさすぎる。警視庁には知り合いもいるがそんな話は聞いたこともない。騙す相手を間違えたな、詐欺なら慎重にやれよ」
「詐欺じゃなくて本当なんです! 水品さんがあんな状態なのを見たでしょう?」
「だから、それは見間違いだって言ってるんです。夜だし、暗いところで何を見たって分からない」
「浄化の能力があるのは王子神社のウラガミ様だけなんですよ。汐吉さん以外にいないんです」
全く諦めようとしない沙雪に、ついに汐吉はため息をもらした。
「何を言おうが俺はヒナゲシ会には入らない」
「では、どうすれば入会してくれますか?」
やはり彼女は食い下がる。どうしてもヒナゲシ会というものに入ってほしそうだ。それは理解しながらも、汐吉は視線をそらしながらつぶやく。
「ヒナゲシ会が本物であることが分かれば……考えますよ」
「……ならば、やってみせます。喰代汐吉さん、あなたをずっと探していたのだからこんなことで諦めるわけにはいきません」
ピクリ、と汐吉の眉が動く。自身をずっと探していたという、沙雪の言葉は本物であるように思われた。上辺だけの、お世辞のようなものではなく。
「どうしてそんなに俺にこだわるんですか」
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