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「汐吉のいうとおり、松浪さんに会ってください」
「でも」
「大丈夫、彼女は優しいから、すぐに話も合うはずだ。嘘か本当かは、話してから判断してもらえればいいですから」
警視正である真菅に言われてしまえば、うなずくしかない。
「仮に、喰代さんのいうことが嘘だったとしたら?」
「……汐吉は嘘は言わない」
「あっそ。……まあいいわ、なら会ってあげるわよ。そのマツナミサンとやらに」
瑞樹の態度がふてぶてしいものになる。大人らしからぬ言動に、真菅は内心苦笑いを浮かべながら汐吉のほうを向いた。
「あとは任せていいんだな」
「ああ。松浪さんに連絡する。明坂さん、名刺か何かありますか」
「ええ、あるわよ」
素直にうなずき、ジャケットの内ポケットから名刺入れを出すと一枚取り出し、ずいっと彼の眼前に出した。
「明坂瑞樹、今いる雑誌、ライフエンタの編集長ポジションを狙ってるわ。どーぞヨロシク」
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