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『はい。真菅さんから、捜査の要請です』
「はぁ。どんな?」
『殺人事件です。詳しくは直接お話しますから。待ってますよ!』
「え?」
プツッ、とすぐに電話が切れる。ツーツー、という意味のない音を出す受話器を見ながら、
「なんなんだよ」
とだけ言って、汐吉も電話を切ると、仕方なく準備をはじめた。
***
路線を調べ、なんとかヒナゲシ邸にたどり着く。
汐吉が一人で来るのは初めてだった。紅乃と来た時は、彼女に任せっぱなしだった。
「ようこそー、喰代さん」
「どうも」
インターホンを鳴らすと、すぐに門が開かれる。汐吉が門をくぐると、自動で閉まった。屋敷そのものは古いが、機械から見て門は新しそうだった。
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