第十章 四.

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「じゃあなんで、十人全員揃えようとしているんだ?」 「だって、このままずっと、どの神社か分からないのも困るじゃないですか。今が良ければいいのはごもっともですが、未来のことも考えないといけないわ。生きているのは、私たちだけではないですから」  過去の人、現在の人、未来の人。  未来でも“死気”が現れるかはともかくとして、ヒナゲシ会が続いていくならば、沙雪が苦労したようなことをもう一度経験させるわけにはいかない。 「だから、今回でちゃんとはっきりさせておこうと思いまして!」 「……なるほど、分かった。じゃ、続き」 「はいはい!」  汐吉に続き、蒼早と快次もうなずいたのを見て沙雪は嬉しそうにうなずく。 「で、えっと……、天候は、天候を動かす、つまり雨乞いができるっていうことらしいわ。補助はその名の通り、九のウラガミを補助する力ね。詳しくは不明」 「不明なのか……」 「喰代さん。さっき、なるほどって言ってましたよね」  分かったんでしょ、と言いたげな圧のある言葉に、珍しく素直にうなずく。 「……そうだな。それで、あー、耽読ってのは?」
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