第十章 四.

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「傾聴と似たものです。あちらは声を聞くものですが、こちらは記憶を読むそうですよ」 「死気に憑かれるまでの記憶ってことかな」 「おそらくね。最後が統率。これはねぇ、補助と同じであんまり分かってないのよね。ウラガミを統率できるってことだと思うのだけど」 「様々な能力を持つウラガミを統率するってことか」 「……? 姉御、もうトウソツしてるっすよ。リーダーだし」  快次が不思議そうな顔で尋ねる。沙雪は思わず、う、と小さく嗚咽をもらした。 「布瀬さんっ……なんていい人なの……」 「え? え? どうしたんっすか」 「意味的には確かにね」  うんうん、と蒼早もうなずく。汐吉も、彼らに同意だった。蒼早と出会い、汐吉に話をし、若葉を勧誘して、ウラガミ様候補の快次を掘り当てる。  その人物たちを束ねているといえば、そうだ。
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