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「でも、違うと思うの。統率っていうくらいだから、全能力を扱えるんじゃないかしら。もしくは、それに似たことができるとか」
「ああ……そういう意味では違うか。拘束、だし」
「そうそう。とはいえ、私の苦労を布瀬さんは分かってくれててよかった!」
思わず快次の両手をガシッと沙雪がこれも両手で掴む。快次はきょとん、としているが、汐吉の視界を勢いよく蒼早の腕が横切った。
「沙雪、そういうのいいから」
「え? ちょ、ちょっと、蒼早くん」
「いいから、離しなよ」
蒼早は貧弱、いや、他の同年代に比べれば力はない。だからか、いつもより力を込めて沙雪の手を離そうと無理やり指をねじこむ。
「ちょっ、アオサさん、タンマっす!」
「うるさい」
「痛いんすって」
「じゃあ布瀬が離せばいいだろ!」
「アオサさんの指が絡まって、あぁっ」
「もう、分かったわよ、離す、離すから!」
三人がそうやってじゃれあっているのを、汐吉は冷めた目で見ていた。
―こうやって話が止まるんだよなあ。
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