第十一章 一.

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第十一章 一.

 結局、汐吉が間に入って無事にじゃれあいも終わったところで、沙雪がゴホンと切り出した。 「とにかく、今回の捜査の目的を整理するわね。この写真に写るCさんを探すこと、凶器になった包丁を探すこと。もし死気が関係しているとしても、“透視”以外に探す能力はなさそうだから……自力で探しましょう」  行き当たりばったり、そしてしらみつぶしに、死気を探していくしかなさそうだった。 「そう言われても、どうしたもんか……。死気を見る方法しかないってことだろ?」 「そうなのよね。だから、手分けして探さない? 藤枝さん含めて五人いるから」 「布瀬は未確定なんでしょ、数に入れない方がいいんじゃないの?」 「そっすよ、オレ一人は……」  成人男性にしてはかわいらしくうろたえる快次に、沙雪もそうだったわね、と苦笑いを浮かべる。
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