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「基本、生活範囲の外に行った方がいいのかしら。蒼早くんはどう思う?」
「……少なくとも、この近辺はないだろうから、僕たちは普段行かないところのほうがいいかも」
「となるとー……新宿とか?」
「西のほうになるね」
うん、とうなずいて答える。神田橋に近いここは、周囲にビルが並び、オフィス街があるかと思えば皇居も近い。もし死気が現れるにしても、例えば歌舞伎町に比べれば可能性は低いだろう。
「じゃあ、えーと、新宿区、中野区……あたりね。喰代さんたちはどうします?」
「まあ、南になるだろうな。布瀬さんは?」
「南側はあんまりいったことないっす。警察官のときもっすけど、今も現場は家から近いんで」
「となれば……南っていうと、港区、品川区あたりか。松浪さん、東京十社の印をつけた地図、持ってますか?」
「ええ、もちろん! どうぞ」
沙雪がサッと赤丸がついている地図を差しだす。受け取った汐吉は、パラ、と軽い手つきで広げた。
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